タイピン動物園(18/01/26)【その1・カワウソたち Memerang-memerang】
マレーシア半島北部、クダ州タイピン市のタイピン動物園(Zoo Taiping & Night Safari)を訪問したときの記録です。この記事では、マレーシアでは「郷土の動物」なカワウソについて紹介したいと思います。
ビロードカワウソ(Memerang Licin)
インドから東南アジアにかけて分布するカワウソです。マレーシアの隣国・シンガポールの市街地で暮らしているビロードカワウソは、NHK「ダーウィンが来た」で紹介されていました。タイピンからほど近い大都市・ペナン島市ジョージタウン地区でも、水質の改善でビロードカワウソの群れが戻ってきたそうで、現地のニュースに掲載されていました。なにかと関心を寄せられている種です。
首を掻き掻き。後ろ足、けっこうゴツいですね… 体長65-79cm、尻長40-50.5cmと、個人的に日本の動物園で見慣れているコツメカワウソ(体長41-64cm、尾長25-35cm)よりも大柄で迫力を感じます。(体長・尾長はWikipediaより)
でもこんなポーズをとるんだからやっぱりカワウソです。おなか出してごろーん。
上半身アップで。白と灰褐色のグラデーションが綺麗。ビロードの名前の通り、滑らかで美しい体毛です。マレー語名Memerang Licinも直訳すれば「滑らかなカワウソ」。
放飼場には2頭出ていました。こちらの子はお昼寝中です…
放飼場外観。横に広い!観覧通路側は大きな水たまりになっています。泳ぐ様子も観察できるのでしょう。
コツメカワウソ(Memerang Kecil)
日本でもお馴染み、昨今大ブームなコツメカワウソ。こちらも東南アジアには広く分布しています。マレー語名Memerang Kecilは直訳すれば「小さいカワウソ」。
この放飼場には2頭いて、常に一緒に行動していました。日向ぼっこ中かな?
放飼場の外観。地面一面に草が生え、擬木擬岩は苔生しているし、背後に青々とした木々。全体的に緑色です。
お顔ドアップで。けっこうヒゲがワイルドですね…
唐突に始まる食事タイム。がっついています。餌の魚が水を張った瓶のなかに入っていました。カワウソの好きなタイミングで食べられるようにしてあるのでしょうか?
そのままエサをくわえ、放飼場中央の池の方へ走っていきます。
!?
「なんだろうこれ…兄ちゃんそれ食えるんか…?」
というわけで、タイピン動物園のコツメカワウソはベニガオザル(Beruk Kentoi)との共生展示になっていました。中国南部・インド東部からインドシナ半島にかけて分布している種ということで、コツメカワウソとも馴染みが深いのでしょう。ググったところベニガオザルはヒト以外で唯一男性型脱毛症にかかる霊長類だとかで…
たしかに生え際がハゲてますね…
「食べないのかな?返してくれないかな~…」
ベニガオザルがいることでカワウソもそれなりの緊張感を持った日々を送れているのかもしれません。きっと環境エンリッチメントというやつ。
Malaysian lowland forest
もう一か所、コツメカワウソがいる場所があります。園内マップでは「Malaysian lowland forest」、しかし。
写真右側の扉が施錠されていて、入ることができません…
本来は、檻の中に入って通路からの動物を観察できる施設だったのでしょうけれど。看板にコツメカワウソの案内はあるけれど、姿が見えないので一度はスルーしました。
もう一度戻ってきたとき…なんと。いるじゃありませんかカワウソ!
ここは4~5頭の群れで暮らしているみたいです。
なんか貰えると思っているのかぴゃーぴゃー鳴きながら寄ってきました。網が結構ボロい…サイズ的に脱走の心配はないのでしょうけれど。
ぷにぷにおてて…コイツは何もくれないとわかったのか、この後どこかへ行ってしまいました。
檻を横から覗き込んだところ再発見。垂直の壁を、ロープなどを足掛かりに上っていました。
以上、タイピン動物園では3か所で2種類カワウソを展示しています。(1か所は展示かどうか怪しいのですが…) さすがカワウソの本場?だけあって様々な表情のカワウソが見れて大満足です。可愛かった…
カワウソたちがいるのは、園内マップ的にはこのあたり。
それなりに広いので巡回トラムを利用するといいかもです。
おまけ:タイピン動物園のカワウソ解説
展示の前にある動物の解説です。多言語での動物名表記、マレー語と英語による解説、写真で示された自然界での餌など、多民族国家マレーシアらしく工夫されていました。
ビロードカワウソ
マレーシア国内のカワウソについて。タイピン動物園では飼育されていないスマトラカワウソについても書かれています。