けもの巡礼紀行

動物園・水族館巡りやら旅行やらについての備忘録てき

琵琶湖博物館(18/09/01)

滋賀県草津市、琵琶湖畔の烏丸半島に立つ琵琶湖博物館の訪問記録です。水族展示室を中心に紹介します。

 

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入館するとまず面前に琵琶湖が広がります。この日はあいにくの雨でしたが… エスカレータで2階へ上がると3つの展示室をめぐる順路になっています。水族展示室へは写真の左手あたりにある連絡通路を使うか、第三展示室から階段を降りていくことになります。

 

展示室の最初の方は、琵琶湖に棲む魚類の展示がメインです。ヨシ原を再現した大きな屋外水槽や、トンネル水槽がありました。

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写真はトンネル水槽で、琵琶湖沖合の魚類の展示が中心。ビワマスやウナギ、イワトコナマズ等がいます。

 

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黄色いアルビノのイワトコナマズがおよいでいました。イワトコナマズは琵琶湖・余呉湖水系の固有種です。黄色いナマズは、琵琶湖の竹生島弁財天のお使いとされ、丁重に扱われてきたそうです。

 

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少し順路を飛ばして、普通のイワトコナマズ。ヒゲがかわいい。

 

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トンネル水槽を抜けた先には、円筒状のビワコオオナマズ水槽がありました。琵琶湖において食物連鎖の頂点に立つ、日本最大のナマズです。岩を積んだトンネルの中でじっとしていました。薄暗く、写真を撮るのは難しいですが、肉眼でもはっきりわかる存在感があります。

 

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ビワコオオナマズの御尊顔。上で掲載したイワトコナマズの写真と比べて、やたらと大きい雰囲気は伝わってきますでしょうか。成熟すると全長90~120cm程になり、ブラックバスやらブルーギルまで捕食してしまうそうで。

 

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こちらはコアユ水槽。海水水槽におけるイワシの群泳のように、かなりの数が泳ぎ回っています。通常のアユは秋に生まれて春まで海で過ごしますが、琵琶湖のアユは海へ下らず琵琶湖内で成長するそうです。摂れるエサの量が少ない為、10cm程度と通常のアユの1/3程度のサイズで成体になります。小さいので甘露煮で食されたりするらしい。

 

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ホンモロコ。こちらも琵琶湖の固有種で、見た目は普通の小魚ですがかなりの高級魚らしい。解説パネルの見出しが「とてもおいしい ホンモロコ (A Tasty Gudgeon, HONMOROKO)」でした。琵琶湖の水位調節で卵がやられてしまい、一時期急激に漁獲量が落ち込んでいたらしい。

ところで、

 

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記事を書くにあたってGoogleで「ホンモロコ」で検索した際、関連する魚類の写真も表示されたのですが、ホンモロコだけ焼かれた後の姿でした…。おいしいんだろうな。

 

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こちらはニゴロブナ。滋賀県の名物料理、「鮒ずし」の原料になる魚です。私は食べたことないんですが…。なんというか、さっきから食に直結してる魚種ばかりですね。

 

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近くに、鮒ずしの食品サンプルがありました。鮒ずしの匂いを嗅げる装置もありました。嗅いでみたのですが、うーんなんとも言えない匂い…。ミュージアムショップでもお土産として売ってるみたいです。推しが強い。

 

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こちらは外来魚コーナー。国外産だからか?カラフル。国外産の外来魚のみならず、国内外来魚問題についての展示もありました。

 

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順路を進むと、川の下流中流・上流部それぞれに棲む生物の展示がありました。写真はアマゴ・イワナが暮らす水槽で、滝があったりと上流の渓谷なイメージ。

 

琵琶湖に暮らす水鳥の水槽もあります。カルガモカイツブリ・ユリカモメの3羽3種類がいます。

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写真はカイツブリさん。13時~フィーディングタイムだったので、それに合わせて行ってみました。

 

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フィーディングタイムでは、カイツブリの為に生餌の小魚が海中に撒かれます。それを捕まえようと、必死で水中をおよぐ様子がなかなか凄かったです。とにかく速い。

 

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こちらはユリカモメ。日本に渡ってくる冬場は頭が白い冬羽ですが、日本にいないこの時期は頭の周りが黒くなる夏羽に。普段お目にかかれない姿を見てしまった感じで、なんだかドキドキします(?)

 

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淡水魚の繁殖施設(保護増殖センター)をのぞける場所がありました。ニッポンバラタナゴ、ゼニタナゴ、スイゲンゼニタナゴ、シロヒレタビラ、ヒナモロコ、イタセンパラといった魚種の名前が見えます。繁殖賞もかなり受賞していて、通路挟んで反対側には22個の表彰楯が飾られていました。

 

順路をさらに進むと、世界の淡水湖に関する展示になっています。ロシアのバイカル湖やアフリカのタンガニーカ湖等、琵琶湖と同様に固有種が生まれてくるほどの長い歴史をもつ「古代湖」に焦点を当てた展示です。

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琵琶湖博物館のアイドル?バイカルアザラシさん。バイカル湖固有種で、淡水のみを生活圏とする世界唯一のアザラシです。琵琶湖博物館ではオスメスペアの2頭が暮らしています。だいたい水中で泳いでいましたが、13時30分~のフィーディングタイムでは陸上に上ったり飼育員さんの指示を聞いたりと、様々な行動を見ることができます。

 

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他のアザラシとくらべ、眼球が非常に大きいのが特徴的。世界最大の水深(1640m程)を誇り、透明度の高いバイカル湖において、獲物を目視で見つけてとらえるためにこうなったそうです。

 

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寒冷地に棲むアザラシらしく、体もかなり丸々としています。

 

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水槽の横に、バイカル湖ライブカメラ映像が写されているモニタがありました。岩の上で休んでいる現地のバイカルアザラシを見ることができます。

 

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アザラシだけではなく、淡水魚もいます。こちらはバイカル湖の固有種・ボリシャーヤシロコロブカ。ロシア語な響き。ところで、バイカル湖固有種のヨコエビをみた記憶も写真もないんですが、見落としてきた…?

 

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こちらはアフリカ・マラウィ湖固有種のラビドクロミス・カエルレウス。鮮やかな黄色をしたシクリッド、で熱帯魚としてアクアリストに人気らしい。調べたのですが、シクリッド科で有名な魚というとティラピアエンゼルフィッシュがいるらしく、あのへんの仲間なんだな、と。

 

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こちらは古代魚水槽。チョウザメやガーがいます。ゴツくてデカいので迫力がある。

 

順路進んで、最後の展示はマイクロアクアリウムミズクラゲプラナリアのような小型生物や、さらに微小な生物を観察できる展示です。マイクロバーという、その日の琵琶湖で採取した水の中の微生物を観察できるコーナーもあります。

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接写したミズクラゲ。淡水に発生するクラゲで、ちっちゃい。

水族展示室は一通りこんな感じです。琵琶湖・淡水古代湖というテーマで、とても濃い展示がされていて見ごたえがありました。

 

ほかにも、琵琶湖の環境を扱った第三展示室に、生体や剥製コレクションの展示があります。

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生体展示はカメやハッタミミズ、ナゴヤダルマガエル、カヤネズミがいました。

ちなみに、ほかの展示室は第一展示室が琵琶湖の地学を、第二展示室が琵琶湖の文化を扱ったものになっています。このブログでは紹介しませんが、こちらも十分に見ごたえがあります。時間が足りなくなるところでした。

 

おまけ

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お昼に食べた「湖の幸天丼」1080円。琵琶湖産ブラックバスビワマスの天ぷらが乗ってます。ブラックバス、普通に白身魚でした。若干大味な感じはしますが、天ぷらなので不通においしく食べられます。ブラックバスビワマスも、どっちも食べてしまうビワコオオナマズの気分を味わいたい方はぜひ